奏法

奏法

ピアノの奏法は、最初はチェンバロのそれの流用であった。
しかしながら、チェンバロよりも残響が長い楽器では、音を続けて演奏する奏法がより効果的であるため、レガートに演奏する方法が生み出されていく。
レガート奏法はクレメンティ(現在ではこの説に異議が唱えられている)によって開発されたとされ、それまで2本の指を交互に使って切れ切れに音階を演奏していたのを3本ないし4本の指を使い、親指が他の指の下に位置する指遣いによって完全なレガートを作り上げた。
19世紀にはヴィルトゥオーゾのピアニストらにより、リストの半音階、3本の手などの新たな技巧が開発された(20世紀の奏法については下記参照)。

クラスター奏法

クラスター奏法

クラスター奏法とは、ヘンリー・カウエルらによって提唱されたもので、鍵盤を手・腕・ひじを使って打楽器のように演奏する。
トーン・クラスターも参照のこと。

内部奏法

内部奏法とは、ピアノを鍵盤によってではなく、内部の弦をギターのプレクトラム(ピック)などで直接はじいたり、弦の淵や真ん中を指で押さえながら対応する鍵盤を弾いたり、松脂を塗ったガラス繊維あるいは弦楽器の弓の毛を、ピアノ内部の特定の弦に通して擦弦したりすることにより、本来のピアノにはない音色を得るための奏法。
ピアノの作音楽器に劣後する特性を何とか克服しようとするものである。
現代音楽では当たり前のように多用されるが、日本の多くのコンサートホールは、楽器が傷むという理由からこの内部奏法を非常に嫌悪し禁止している。
それに対して外国とくにヨーロッパではこのような規制はほとんど見受けられない。
とはいえ、楽器に傷をつけやすい金属製器具での演奏は控えたり、指の汗が弦につくことを考慮し演奏後にはサビ防止のためにきちんと布でふき取るなどの配慮は必要である。

内部奏法

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